ECサイトでの販売を目的にconcaで作成したライセンスカードで、顧客層も商品ラインナップも拡大。

導入前の課題

  • 販売方法が公式サイトでのダウンロード販売のみでフィジカル商品がなかった
  • 当初はクレジットカード決済しか対応しておらず購入できないお客様がいた

導入後の効果

  • ECサイト(BOOTH)でのライセンス販売が可能になり決済方法の選択肢が広がった
  • イベントでの頒布や関係者への配布ができるようになった
  • キャラグッズの1つとしても認知されるようになった

歌声合成・音声合成技術の開発を手がける株式会社テクノスピーチでは、歌声合成ソフト「VoiSona」のライセンスカードとしてconcaカードオンリープランを活用しています。

サービスローンチ当初はVoisona公式サイト上でのクレジットカード決済によるダウンロード販売のみでしたが、カードという「モノ」を作ることで、イベントでの頒布やパッケージ販売も可能になりました。

顧客層の拡大と商品価値の向上を実現した経緯について、エンタメ事業部プロデューサーの塚田恵佑様にお話を伺いました。

歌声合成ソフト「VoiSona」のライセンスカードとしてconcaを活用

御社の事業内容を教えてください。

塚田恵佑様

歌声合成・音声合成の技術開発を行っています。開発した技術の社会実装を進めており、代表的なサービスが歌声合成ソフト「VoiSona(ボイソナ)」です。声優さんやアーティストさんにご許諾をいただき提供いただいた音声データをもとに制作した歌声ボイスライブラリを提供しており、ユーザーは自作曲やカバー曲を好きなキャラクターの声で歌わせることができます。

現在は34種の歌声ボイスライブラリがあり、そのうち自社で企画・販売しているキャラクターは「知声」「機流音」「AiSuu」「MYK-IV」の4人です。

concaをどのように利用されていますか。

塚田恵佑様

2023年からカードオンリープランを利用し、VoiSonaの各キャラクターのライセンスカードとして販売しています。concaに印字されたライセンスコードをVoiSona公式サイト上で入力すると、そのキャラクターのボイスを利用できるようになります。カードだけでは商品として少し寂しいと感じたので、オプションの台紙も付けています。

ECサイトでの販売を中心に、歌声合成関連の同人イベントなどに出展して頒布もしています。同じキャラクターの関連商品と一緒にパッケージとして販売することもあります。

決済方法の拡充のため、ECサイト販売用にライセンスカードを作成

concaを導入した経緯を教えてください。

塚田恵佑様

VoiSona公式サイトでボイスライブラリをダウンロードする際、当時は決済サービスとの連携の問題でクレジットカード決済しかできなかったんです(現在は複数の決済方法に対応)。
クレジットカードを持っていないお客様にも購入していただく方法を模索した結果、ライセンスカードという形でECサイト「BOOTH」に出品することにしました。ECサイトならコンビニ払いやアプリ払いなどさまざまな決済方法に対応しているからです。

ただ、個別のライセンスコードを発行する機能はBOOTHにはないので、事前に発行しておいたコードを印字した「モノ」として販売する必要がありました。何かいいアイテムはないかと考えて、たどり着いたのがconcaでした。

concaを選んでいただいた理由は?

塚田恵佑様

個人的にconcaを利用し、即売会で楽曲を販売した経験があったため、VoiSonaでも使えそうだと思い立ちました。

他社のカード印刷との比較検討もしました。concaの素材はPVC(ポリ塩化ビニル)ですが、価格を抑えるため印刷会社でPET(ポリエチレンテレフタレート)のカードを試作したこともあります。ですが、求めるクオリティには達していないと感じました。PVCカードで比較検討した中ではconcaが最も安価だったことも決め手のひとつになりました。

顧客層拡大に加えて商品展開も豊富に。キャラグッズとして認知を獲得

concaの導入によって、定性的、定量的な観点からどのような効果がありましたか。

塚田恵佑様

クレジットカードを持っていないお客様が購入できないという課題は、ECサイトでのライセンスカード販売によってクリアしました。また、歌声合成関連のイベントで頒布したり、関係者様にサンプルとしてお渡ししたりもできるようになりました。専門学校で講演する機会がたまにあるのですが、学生さんたちに参加特典としてお渡しすることもあります。

商品展開の面では「パッケージに封入する特典」という使い方ができるようになったのも大きな効果ですね。キャラクターの1周年記念特別パッケージとして、ポストカードやアクリルスタンドと一緒にライセンスカードを入れたパッケージ版を販売しています。カードと台紙の単体商品よりも売れ行きが好調ですね。

定量的な観点はキャラクターごとに異なり一概に言えない部分ではありますが、物理パッケージにすることで数百本程度の追加需要が見込める所感は持っています。

お客様からはどのような反応がありましたか。

塚田恵佑様

フィジカルな商品として所有することで、お客様の満足感が向上しているように感じます。ライセンスカードを推しキャラのコレクション棚、いわゆる“神棚”に並べている写真をSNSの投稿で見かけたことがあります。キャラグッズのひとつとしても認知していただけているのはありがたいですね。

印刷品質のさらなる向上と台紙の選択肢拡充に期待

concaへのご要望や、期待することがあればお聞かせください。

塚田恵佑様

台紙について、もう少しバリエーションがあるといいなと思います。現状の310kgコート紙の台紙はリッチ感が出ていいのですが、予算によってはもう少し価格を抑えたいケースもあるので、厚さの選択肢が増えると助かりますね。また、カードを貼るのではなく切れ込みに差し込むタイプの台紙があると、いろいろなシチュエーションに対応できそうです。

今後、concaをどのように活用していきたいですか。

塚田恵佑様

弊社はテキスト読み上げの研究開発もしており、音声合成ソフト「VoiSona Talk」を展開しています。近々「知声」のVoiSona Talkのパッケージ版を発売するので、その中に封入するライセンスカードとしてまたconcaを利用する予定です。弊社のキャラクターとしては初めてのトーク版ということで、新たな展開を広げていきたいと思っています。

本日は貴重なお話をありがとうございました!

※掲載内容は取材当時(2025年8月)のものです

インタビュー/執筆:篠永 歩美

株式会社テクノスピーチ 様

株式会社テクノスピーチ 様

concaがどんなサービスか、目で見て、触って、体感してみてください