完売した本を増刷せずに再頒布。concaで実現した、文学フリマで電子書籍を届ける選択肢
「一筋縄ではいかない男女バディ」のライトミステリーを得意とする、小説家の曳町織様。完売した既刊本を即売会の会場へ並べるため、電子書籍として頒布する方法を選び、concaのコードオンリープランを利用しました。会員登録不要で手軽にダウンロードできるconcaの仕組みが決め手になったという曳町様に、文学フリマで実際に頒布してみた感想を伺いました。
個人サークル「KamoShika」で小説家として活動しています。2025年から文学フリマなどの展示即売会を中心に活動を本格化させ、これまでにコピー本(自身で印刷・製本した本)を含め6冊を発表しました。恋文代筆人と筆跡収集家のコンビが謎解きに挑む「恋文代筆人シリーズ」をはじめ、男女バディものをメインに創作しています。会場での頒布に加え、ECサイト「BOOTH」での事後通販も行っています。
以前発表した作品をPDF化し、電子書籍として頒布するために、コードオンリープランを利用しています。作品の装画イラストを使ったポストカードの裏面にconcaのQRコードを配置し、自身でシール印刷したシリアルコードを貼り付けています。
2026年8月の「文学フリマ香川」へ出店するにあたり、新作と一緒に同シリーズの既刊本も頒布したかったのですが、その既刊本は既に完売していました。増刷も考えましたが、本を製本するにはそれなりの費用がかかります。限られた予算はできるだけ新作に集中させたいので、既刊本は電子書籍で頒布する方法を選びました。
Web上で過去作品を公開するという選択肢もありましたが、シリーズものとして展開している以上、会場に新作の本と並べて置きたいので、電子書籍でありながらも商品として見える形での頒布方法を探しました。もともと音楽やゲームのダウンロードカードを利用したことがあったため、同じ仕組みを電子書籍にも応用できるのではないかと思いつきました。
「ダウンロードカード」と検索してconcaを知りました。ダウンロード販売可能なECサイトなども検討したのですが、ダウンロードする時に会員登録が必要である点が気になりました。通販ならそれでも問題ないと思いますが、即売会で購入していただいた方に会員登録を求めるのは、少し申し訳ない気がしたんです。できれば通常の印刷本と同じように、買ったらすぐに読めるようにしたい。シリアルコードさえ入力すれば会員登録なしでダウンロードできるconcaの仕組みは、選ぶ際の大きな決め手になりました。
データをアップロードする手順などが非常にシンプルで、UIもわかりやすく、使い勝手がいいと感じます。特に、発行されたシリアルコードをCSVデータで一括ダウンロードできる機能はありがたいですね。私は自分でコードを印刷してカードに貼っているので、入力ミスを防ぎやすいデータ管理方法になっていて助かりました。
文学作品の即売会では印刷した書籍の頒布が主流ですが、先日の文学フリマ香川で「電子書籍ですぐ読めます」とポップを添えて並べたところ、興味をもってくださる方は少なくありませんでした。「電子で読めるなら、これも」と、新刊と一緒に購入してくださった方も何人かいらっしゃいました。印刷した本よりも販売価格を抑えられるため、お試し感覚で電子書籍のみ購入していかれる方もいて、いい手応えが得られたと思っています。
クレジットカードサイズだけでなく、さまざまな大きさのカードが制作できるようになるとうれしいです。新作の文庫本と並べて頒布するため、できればサイズを揃えたくて、現在はコードオンリープランを利用してポストカードを別途制作しています。concaでさまざまなサイズが選べるようになったら、カードプランの利用も検討したいと思っています。
今回の文学フリマ香川を通して、イベントの場でも電子書籍を手軽にお届けできるとわかったので、今後も紙の書籍と並行してconcaを使った頒布も続けていこうと思います。
現在はPDFを配信しているのみですが、concaは大容量のデータ配信ができるので、例えば小説を原作にした音声ドラマやイラストなど、小説と一緒に楽しんでいただけるコンテンツの制作も検討していきたいと考えています。